わたしの今の職場は、2歳から6歳までのインターナショナル幼稚園です。
モンテッソーリ園ではありません。
モンテッソーリ教育を実践したい、という想いはありますが、
アットホームな小さな園で、先生たちは、ひとりひとりの子どもと
丁寧に関わっています。
教具があるということよりも、人的環境を信頼しています。
それでも、子どもと関わる中で「あの教具があったら!」と思うことがあります。
それは、子どものすがたに、教具を扱うのと同じ動きが見られたとき。
4歳の言語の敏感期。
この絵本は、表紙のタイトルの文字が、エンボス加工で浮き出ています。
文字をなぞる子どものとなりで、ひとつひとつのアルファベットの音を伝えました。
子どもは、自分から音を発して、繰り返します。
何度も、何度も。
砂文字盤と、同じです。
3歳の女の子。
ミニチュアの楽器を出して、遊んでいます。
コントラバス、チェロ、バイオリン、サックス、トランペット、トロンボーンなど。。。
名称を伝えようと思い、確認のために画像検索しました。
スマートフォンの画面を見せながら名称を伝えると、
子どもは画面の上に同じ楽器のミニチュアをのせて、同じであることを確認しました。
これは言語の活動の「具体物とカードの同一性合わせ」と同じ動きです。
年齢的に、3次元から2次元という抽象への移行はすでに獲得していますが
「同じである」ということを確認するためにぴったり合わせたい、という欲求は
子ども自身の内から出てきています。
モンテッソーリではない環境で子どもを見るからこそ、改めてこの教育法は
子どもを観察することから始まっているのだと、強く感じます。
ほかの先生の、子どもへの対応が気になったり、自分が正しいと思っていることが
実践できない環境に、不平や不満ばかり言っていた時期もありました。
でも、今はただ目の前の子どもと真摯に向き合い
自分にできることをしていきたいと思っています。