あらゆる生物が生存するためには、食べ物から栄養を摂取して

消化することが必要です。

けれどわたしたち人間は、生存するためだけに食べるのではありません。

生まれ育った土地で収穫される季節ごとの農作物や

伝統的に作られている料理は

ソウルフードとなって、人の心の安らぎや活力となります。

人は、食や文化によって育まれ、その土地の人となって

アイデンティティを確立していくのです。

私たちの心と体は

私たちが食べたものと

経験したことによってつくられます。

食べ物の栄養は身体をつくりますが、特に発達過程にある幼少期は

脳細胞が神経回路を形成する際に、その影響を強く受けます。

学力的なことももちろんですが、それだけではありません。

脳は、つまりは心でもあるのです。

食事とは、自分の中に外部のものを受け入れることです。

初めてのものに対して慎重であることは

自分の身を守る上で悪いことではありません。

そして信頼関係も必要です。

どれほど幼くても、決して本人の意志を無視して

無理やり食べ物を口に押し込まれるようなことがあってはなりません。

わたしは一生涯、毎日続く食事という行為は

楽しみであってほしいと心から思います。

その第一歩である離乳を乗り越えるために、赤ちゃん主導で進める

BLW(Baby-led Weaning)の考え方は非常に有効であり

またモンテッソーリ的であると考えています。

ここでは、子どもとできる調理活動や

少食の子どもに栄養を与えるためのアドバイス、

お料理の負担が軽くなるヒントやレシピを紹介していきます。