―見るということ―  Visual Experiences

赤ちゃんは生まれた時、ほとんど目が見えません。

そして生後、ものを見ることによって脳の視覚中枢が形成され

視力や両眼視機能*を獲得していきます。

つまり、見えるようになるためには、見るという経験が欠かせないのです。

ぜひ、赤ちゃんに「見る」ための特別なものを準備してあげましょう。

脳の中で視力に割り当てられている領域は

ほかの感覚すべてを合わせたものよりも大きいのです。

視覚はそれほどまでに重要だからこそ

生まれた環境で必要な能力を獲得できるように

大事な発達の時期を、誕生後まで遅らせているとも考えられます。

モンテッソーリは、人間は適応の過程を経て環境にあわせて変容し

その時代の、その土地の人になるのだと考えました。

例えば、広い草原を遠くまで見渡して、危険に気づくための驚異的な視力も

生活環境による経験から得られる能力です。

視覚に遺伝が大きく関わっているのも事実です。

けれど、発達の時期に適切な「見る」という経験を提供してあげることが

観察力、空間の知覚、手と目の連携などを形成するうえで

将来的に重要な手助けになることも、また、明らかなことです。

そして何よりも、まだ身体を自由に動かすことのできない赤ちゃんは

「見る」という目的のある活動を、とても喜びます。

そのすがたは生き生きとしていて、この活動は赤ちゃんにとって

こころを満たしてくれるものなのだと、赤ちゃんが教えてくれるのです。

*両眼視機能-左右の眼から得るイメージを組み合わせて単一のイメージを得る機能

ムナリモビール Munari


生まれたばかりの赤ちゃんも、まったく目が見えないわけではありません。

その視界は、凍り付いた窓を通して眺めた世界のようだと想像することができます。

視力は低く、互いに近くあるものはぼんやりと溶け合っていて

コントラストの感受性が弱いため、大まかなパターンしかわかりません。

このような視界では、大きな物体や模様、黒と白のくっきりしたデザインが注意を惹きます。

生まれてすぐの赤ちゃんにぴったりなのが、ムナリモビールです。

ムナリは白と黒のコントラストでできた光沢のある厚紙の幾何図形と

ガラス玉を吊るしたモビールで

模様は表と裏で反転したものになっています。

この時期の赤ちゃんの焦点距離は目の前18センチから76センチ程と狭く

また視野の端の方がいちばんよく見え、真正面にあるものには気付きません。

そのため、モビールは仰向けに寝た赤ちゃんから高さ30センチ程の距離で

真上よりも少しずらした位置に吊るします。

自然に動くように、少し空気の流れがあるところに置きましょう。

ゴッビモビール Gobbi

生後2か月になると、脳に物の動きを知覚する配線ができます。

それまでの反射による断続的な目の移動ではなく、滑らかな目の動きが可能になり

動いている物をかなり正確に追いかけられるようになります。

また、生後3か月半には、両眼視機能が急速に発達します。

赤ちゃんはまだ、ムナリモビールを見ていますか?

興味がなくなっていたら、それはもう発達の段階に合っていないのです。

生後2か月~4か月頃は、色の濃淡によって追視と奥行き知覚の発達を促す

ゴッビモビールに変更しましょう。

ゴッビは糸を巻いた5つの玉で作られていて、玉の色はグラデーションになっています。

玉は一本の棒から等間隔に紐で吊るされていて、紐の長さが変化します。

最も濃い色の玉が、いちばん長い紐で下にあり、上にいくほど色が薄くなります。

色は、最初に赤ちゃんが見分けることができるようになる、赤や緑がおすすめです。

その後、青や黄色の違いがわかるようになります。

時期を見て色を変えたり、玉の数を増やしてみると、新しい刺激になります。

八面体 Octahedron

わたしたちの視覚系は、赤、青、緑、そして黄の経路で色を処理しています。

そのため、色覚が成熟した赤ちゃんは、特に明るいこれらの色に強く惹かれます。

原色を導入した八面体モビールは、色違いの8面体が3つ、異なる長さのひもで吊るされています。

8つの正三角形で構成された8面体は、ホログラムの光沢素材で作られていて

光を受けて動くと、きらきらと美しく輝きます。

月齢にしばられず、赤ちゃんの興味のようすを見ながら体験させてあげましょう。

ダンサーモビール Dancing Figure Mobile

表と裏が異なる色のホログラム用紙で作られたダンサーモビールは

糸で結ばれたパーツの動きが多彩で、光の反射が空間を美しく変化させます。

大人も見ていて楽しくなるモビールです。

同じものを見て、共通の認識を共有する「共同注視」は1歳半頃に芽生えます。

けれど、同じ経験を通して、いっしょに楽しんでいるということは

どれほど幼くても、きっと赤ちゃんに伝わるはずです。

ダンサーにこだわらず、クリエイティブにさまざまな切り抜き絵をつくって

赤ちゃんといっしょに楽しんでみてはどうでしょう。

*モビール設置の注意点*

これらのモビールは活動のためのものなので

ベッドやお布団の上など寝るための場所には置きません。

起きている間の、運動のためのスペースに設置しましょう。

―手の存在を発見する― Hand Regard

視覚が発達するにつれて、赤ちゃんは目に見える色々なものに興味を示すようになります。

生後3~4か月頃になると、赤ちゃんが自分の手をじっと見つめる様子が見られることがあります。

赤ちゃんが自分の手の存在に気付く、この仕草はハンドリガード(Hand-regard)と呼ばれます。

この姿から、わたしたちは何を知ることができるでしょう。

まず、視覚は両眼視によって、奥行を知覚する脳の仕組みが発達しました。

そして、運動では見たいものに首を動かすことができ(首すわり)

肩と肘と手を協調させて、伸ばすことができるようになったことがわかります。

また、単純な反射による動きではなく、自分の意志によって身体を動かしていること、

つまり、脳が動きをコントロールするようになってきたことがわかります。

ある日、赤ちゃんは視界に入る自分の手に気付き

じっと見つめたり、手を口にもっていったりしてみます。

すると、目では見えるものとしての存在、口ではなめている感じ、手はなめられている感じ、

骨と筋肉の運動動作など、複数の感覚を同時に経験することになります。

このように、経験を通して様々な機能を同時に働かせることによって

赤ちゃんは異なる感覚を統合し、自分の身体について学んでいきます。

ハンドリガードは、赤ちゃんがこれから自分自身を知り、世界を探求し始めることを

わたしたちに知らせてくれているのです。

―見えるものに触れることができるようになる― Reaching

手を伸ばし、意図して何かに触れることは

物を扱う動作のいくつも続くマイルストーン(段階)の第一歩です。

腕全体を伸ばすことができるようになった今、はじまりの準備は整いました。

初めての「目と手の協応」の体験を促すために、今までの見るためのモビールから

赤ちゃんが手で触れても安全なものに、モビールを変更しましょう。

最初のうち手を伸ばす動作はかなりぎこちないけれど

生後6か月頃にはずいぶん動きが滑らかになり、コントロールもできて正確になります。

発達段階に応じて、下げるものを移行していきます。

3色の球 Three Coloured Spheres

腕を伸ばした時にボクサーのように握りしめられていた手は

腕と手の動きを分離できるようになって、開かれるようになります。

まだつかむことはできないけれど、肩から腕全体をバットのように動かして

赤ちゃんは興味のあるものに手を伸ばします。

3原色の鮮やかな色が興味を惹くこの3色の球のモビールは

叩くように触れても安全な木で作られていて

赤ちゃんにはじめての目と手の協応を促します。

腕を伸ばした赤ちゃんの手が、少し努力すれば届くくらいの距離に吊るしてあげましょう。

リボンのついた鈴 Bell on Ribbon

同じ時期、3色の球よりも身近なもので、鈴を吊るしてあげることもできます。

3㎝以上の大きさの鈴を、リボンで結んで吊るします。

触れると音が鳴る体験を通して、赤ちゃんは手の新しい可能性を発見します。

パッチワークのボールの中に、鈴を入れることもできます。

赤ちゃんは生後3か月頃から盛んに蹴る動きを始めるので

鈴やボールは足で蹴ることもできる位置に吊るします。

リボンのついた輪 Ring on Ribbon

開いた手は次に、触れたものを引っ張ってたぐり寄せようとします。

輪は引っ張っても安全なように、上部をゴムで吊るします。

赤ちゃんが握りやすい輪の太さは、直径5mmくらいです。

しっかりと握りやすいこの太さが、自然に「触れる」から「つかむ」という動作へと

導いてくれます。

―たくさんの「触れる」経験― Tactile Experiences

誕生時、赤ちゃんには「把握反射」があります。

反射によって手に触れたものを握りますが

様々なものに触れる経験を通して

徐々に意図的な把握へと移行していきます。

把握反射によって、筋肉も発達します。

経験がないと、いつまでも未熟な手の動きのままです。

意図的な把握には脳の成熟が大きく関わりますが

神経回路が適切に接続されるのを助けるためには

まず赤ちゃんが、物に手を伸ばしたいと思わなければなりません。

感覚には受動的な感覚入力と能動的な感覚入力があり、

それぞれ脳の活性部位が異なります。

この、赤ちゃん自身が能動的に触れるということが

とても重要なのです。

大人からのスキンシップやベビーマッサージも触覚を刺激しますが

それらは「触れられる」ことであり

赤ちゃん自身の意志で手を伸ばして何かに「触れる」体験とは

異なるものです。

能動的な感覚入力には、運動が伴います。

赤ちゃんが自ら探索行動をし、触れてみて、つかんでみて、

持ち上げてみて、それを触覚や視覚によって知覚するという行為の繰り返しが

認知能力を生み出します。

つまり、赤ちゃんの学びには、運動が不可欠だということです。

さあ、赤ちゃんは動き始めました!

赤ちゃんが思わず手を伸ばしたくなるような

そして繰り返し何度も手に取りたくなるような

魅力的な教材を、ご紹介していきましょう。

突起のあるゴムボール Rubber Teething Ball

触れたものを掴めるようになると

赤ちゃんは自分の手の可能性を発見します。

手を使って、自分が欲しいものを引き寄せることができるということです。

そして、手にしたものを何でも口に入れ、舌やくちびるを使って確認します。

これは、見たり触れたりしただけではわかりづらい

味や匂い、柔らかさや温度など、より多くの情報を得るためです。

これらの刺激から、脳はたくさんの情報を受けて発達していきます。

この時期、赤ちゃんが口に入れるものを取り上げるのではなく

赤ちゃんが手にするすべてのものは口に入れるためのものと考えて

衛生面、誤飲などに充分配慮し

口にしても安全なものを準備してあげましょう。

この天然のゴムでできている突起があるボールは

不思議なほど赤ちゃんを惹きつけます。

持ったり、握ったり、口に入れるなど色々な使い方ができ、歯固めにもなります。

木製の玉 Grasping Wooden Beads

直径1.5㎝程の木製のビーズに、紐を通したおもちゃです。

紐はレザー、麻などを使い、1個づつの隙間にしっかりと短く結び目が入っています。

持ったり、つかんだり、口の中に入れたりするので

天然石やシルバーなど、ちがう素材や形のものがあると、いろいろな体験になります。

手作りする時は、水分で伸びて切れてしまうスエードの紐は使わないでください。

また、万が一、紐がゆるんでビーズを飲み込んでしまうことのないように

必ず目の届く場所で使ってください。

はめ込み円盤 Interlocking Discs

目を動かせるようになり、首を動かせるようになり、肩と腕を動かせるようになった赤ちゃんは

今、腰までの上半身を動かし、身体をねじって体勢を変えようと試みています。

ずっと仰向けで寝ていた赤ちゃんは、寝返りを打とうとしているのです。

この、はめこみ円盤は、円の直径およそ6㎝の2枚の木製のディスクを

組み合わせて作られています。

赤ちゃんの視界に入る、ちょっとがんばって手を伸ばさなければ届かないところに

置いてあげると、赤ちゃんの寝返りを促すことができます。

一般的なボールは、手が触れると転がって離れて行ってしまいますが

このディスクは、まだ動きのぎこちない赤ちゃんの手が触れると

ユニークな動きで手前に近づいてきてくれます!

手を伸ばして何かを求めたら、それが遠ざかってしまうのでも

誰かに手渡されるのでもなく、自分で引き寄せることができる。

楽しんでそんな経験を繰り返すことが、いつか成長して大きくなってから

「自分にはできる」と後押ししてくれる、力になってくれたら嬉しいですね。

小さな球のついたコマ Spinning Top with Pearls

このコマは、赤ちゃんが少し触れるだけで、簡単に回すことができます。

視覚的な変化も楽しむことができる、とても楽しい教材です。

手や指先の筋肉が発達して、しっかりと握れるようになると

この教材は、手の様々な動きを引き出してくれます。

木製の小さな球はしっかりとしたゴムで取り付けられていて

ほどよく動くため、自然に、掴む、つまむ、曲げる、引っ張るなど

さまざまな動きを通して、指先をたくさん使うことができます。

また、この時期の発達の特徴として、左右両方の手を使って持ったものを

片方の手に持ち替えることが、できるようになってきます。

鮮やかな色彩が発達の段階に合った赤ちゃんの興味を惹き

このような動きを、自然に引き出してくれるのです。

家庭用品のかご Home Objects

いろいろなものに興味をもって手を伸ばすようになったら

新しいことを取り入れてみましょう。

入っているものが見える、浅いかごの中に

赤ちゃんがすでに知っている、身近な家庭用品を2つ入れて置きます。

視界には、なるべくかご以外のものが入らないようにして

赤ちゃんが、どちらかひとつを手にとるのを待ちましょう。

これは、赤ちゃんにとって初めての、どちらかを「選ぶ」という経験です。

モンテッソーリ教育では、どれほど幼くても子どもを尊重します。

そのために、さまざまな場面で子どもに、どちらがよいか、

やるかやらないか、などの選択肢を与えます。

かごの中には、選びやすいように、形や素材、見た目が異なるものを入れます。

ステンレスの栓抜きや、木のハニーディッパー、エンボス加工のしゃもじ、

タッパー、シリコンカップ、たわしなどを、使うことができます。

口に入れても安全で、誤嚥の心配がなく

赤ちゃんが握れるサイズのものを選びましょう。

慣れてきたら、かごの中に入れるものの数を増やしていきます。

歯固め Teething Toys

5~6か月頃、歯が生え始める時の、歯がゆいときに使用します。

シリコン、木製、麻など、異なる素材の歯固めを用意し

様々な触覚の体験ができるようにします。

―聴くということ Auditory Experiences

赤ちゃんの聴覚は胎生7か月頃に発達し始め、誕生時にはかなり優れています。

つまり、生まれた時にはすでに、たくさんの音を経験してきているのです。

想像してみてください。

おなかの中から外の世界へ生まれ出るということは

たとえるなら、わたしたちが宇宙へ旅立つほどの環境の変化ではないでしょうか。

まったくはじめての場所であっても、知っているものや親しい人がいると安心できるように

胎内にいた時から聞いていたお母さんの声や心音は、生まれたばかりの赤ちゃんにとって

大きな拠り所となります。

温かく胸に抱いて、優しく、たくさん語り掛けてあげましょう。

視覚が遅い時期に発達を始め、急速に成熟するのに対して

聴覚は早くから発達し始め、ゆっくりと成熟します。

最終的には言語能力の獲得と並行して、学齢に達するまで

長い時間をかけて向上していきます。

また、新生児の視覚が単純な刺激を好むのに対して

聴覚は、複数の異なる周波数の成分から構成される複合音を好みます。

自然界でよく耳にする音は、この複合音が圧倒的に多く

楽器の音や人の発する声も、複合音の一種に分類されます。

聴覚と視覚に共通する特徴のひとつは、経験によって修正され得るという点です。

見ることが視覚の発達に不可欠であるのと同様に、

音を聴く行為自体が、聴覚の発達の質を左右します。

赤ちゃんが聴く音のすべてが、さまざまな音を処理し、理解するための脳の配線に

重要な影響を及ぼします。

また、その影響は聴覚系の発達だけにとどまらず

幼い頃に経験することばや音楽は感情、言語、その他の認知機能などを形成するうえで

きわめて重要です。

美しい音楽、美しいことば、そして自然の中でいろいろな音を聞かせてあげましょう。

雨音や川の音、林の中を風が吹き抜ける音、落ち葉を踏んだ音、鳥や動物の鳴き声など

わたしたちが普段気に留めない様々な音が、赤ちゃんの脳にダイレクトに働きかけます。

それらの受動的な経験とあわせて、ここで紹介する聴覚のための教材の意義は

赤ちゃんが自ら動くことによって、色々な音を経験することにあります。

おもちゃをあげた大人から見れば、ガラガラを持てるようになった

音が出てよろこんでいる、そんなすがたを微笑ましく感じるでしょう。

しかしこの遊びの繰り返しは赤ちゃんにとって、もっと大きな意味を持ちます。

自分が動くことによって音が生じる=世界が変化する、楽しくなる、ということです。

それらは、自分が動くことで世界を変えることができるのだという

すばらしい経験をプレゼントしてくれるのです。

―さまざまなラトル―  Variety of Rattles

ラトルを手作りしたり、市販のものを選ぶ時には

素材や鳴る音や形状などによって、異なる体験ができるようにします。

また、歯固めの役割も果たすので、塗料や誤飲の危険性などにも

十分配慮する必要があります。

形状は、輪になったものや棒状のものなどがありますが

市販のものは大きすぎる傾向があり、顔や頭にぶつけると危険です。

大きさや重さ、握りやすさなどを、よく見て準備しましょう。

まず、赤ちゃんの前で握って振って見せます。

赤ちゃんが興味をもったら、運動マットや棚の上に置き、自分で取るように促します。

竹のラトル Bamboo Cylinder Rattle

細い竹を節の部分から8㎝位の長さに切り

空洞を掃除した中に小豆を入れて作ったラトルです。

豆以外にも、種やお米などを入れて、音を変化させることができます。

穴の部分は削った木で蓋をし、最後にやすりをかけます。

鈴のついたラトル Cylinder Rattle with Bells

太さ1㎝ほどの細い木を長さ8㎝位に切って、両端に鈴をつけます。

市販されているものは、太すぎて握りづらかったり、重くて振ったときに勢いがついて危険なものがあります。生後4か月くらいの赤ちゃんの手にちょうど馴染むサイズです。

鳴子 Clacker

鳴子を振る動きは、手首の運動を促します。

振ったときに顔にぶつけて怪我をすることがないように

角が丸くなっているか、サイズが大きすぎないかを見て選ぶ必要があります。

立方体と鈴 Cube with Bell

天然木をくり抜いた立方体の中に、鈴が入っています。

穴に指を入れて持ち、鳴らし方を子どもに見せます。

立方体の一辺は、約4.5㎝です。

鈴つきストラップ Bells on Leather Strap

1.5㎝ほどの大きさの鈴が5個、レザーストラップに縫い付けられていて

ストラップのそれぞれの端が、長さ約7㎝の木のハンドルの両端に、固定されています。

複数の鈴が同時に鳴るので、スレイベルのような音色を

楽しむことができます。

銀のラトル Silver Rattle

軽くて、振るとやさしい音色が響く、銀のラトルです。

生まれた時、赤ちゃんには原始反射がそなわっています。

原始反射とは、まだ自分の意思で動くことのできない赤ちゃんが、

特定の刺激に対して見せる無意識の反応です。

赤ちゃんが生きていくために、とても大切な行動です。

手の平に何かが触れると握ろうとする把握反射は、生後3か月頃になると消えて

徐々に赤ちゃんは意図的に物を掴むようになります。

把握反射の時期に動きを繰り返すことで、握力が鍛えられ、運動神経も向上します。

赤ちゃんに「掴みたい」という意思が芽生えたとき、その準備が整っていれば

実現の難易度は下がります。

このラトルは、反射把握の時期から使用することができますが

顔に落としてしまうことなどがないよう、大人がよく注意して見ながら使用しましょう。

目安としては共生期間といわれる、生後8週目を過ぎた頃からが適切です。

オルゴール Music Box

紐がついていて、引っ張ると音が鳴るオルゴールです。

壁の低い位置やプレイジムに設置すると、体重をかけて引っ張り

音を鳴らすことができます。

ぬいぐるみに内蔵されていたり、壁掛けで使用するオルゴールです。

最初は大人が操作して、音が出ることを伝えます。

床に置いて片方の手でオルゴールを押さえ、もう片方の手で紐を引っ張ることもできます。

様々な方法で音を奏でるオルゴールがありますが、このようなプルストリング式であれば

小さな赤ちゃんでも自分の意思で、音楽を愉しむことができます。

わたしたち大人は、耳から入ってきた情報を、脳が必要性を判断して選んでいます。

カクテルパーティー効果とよばれる、音声の選択的聴取です。

けれど6歳頃までは、まだこの機能が発達していないため、生活音などすべての音が

フィルターなしで脳に届きます。

だから、脳を休めるために、小さい子どもには「静けさ」が必要なのです。

意識して音を聴くことが、選択的聴取の発達を助けます。

オルゴールの良いところは、糸が短くなっていったり、動きがゆっくりになっていったり、

それに合わせて音がゆっくりになっていって、視覚的にも終わりが見えるところです。

オルゴールが鳴り止むまでの短い時間、子どもは集中して、音色に耳を澄ませます。